皆さんも時々、コーヒーがふっくらと膨らむ様子を動画で見かけることがあるでしょう。そんな魅力的なコーヒーの淹れ方、通称「コーヒードーム」の作り方をこの記事で紹介します。コーヒードームが上手くいかない、すぐに崩れてしまう問題も解決するために、いくつかのポイントを順に説明していきます。
どうしても膨らまないんです。膨らんでもすぐに崩れてしまいます
膨らませるには新鮮な焙煎豆の使用が重要で、崩れないように正確な注ぎ方も必要だよ!
コーヒーが膨らむメカニズム
コーヒーがなぜ膨らむのか、その科学的な説明は「二酸化炭素」が鍵を握っています。一般的に「炭酸ガス」とも言われ、このガスは焙煎中にコーヒー豆内部の水分が蒸発することで生じます。
焙煎されたばかりのコーヒー豆は多孔質で、その内部には無数の小さな空洞が存在します。これらの空洞に閉じ込められている空気が外に出るとき、コーヒーの香りが放出されます。このため、コーヒー豆は「香りのカプセル」とも称されます。
コーヒー粉に熱湯を注ぐ際、内部に閉じ込められた炭酸ガスが逃げ出し、コーヒーがモコモコと膨らむ現象が生じます。
でも実際は、そう簡単には膨らまないんですよね…
実は、新鮮な状態で炭酸ガスが抜けていない豆を使うことが、モコモコに膨らませるための秘訣です
市販のコーヒー粉の場合、多くは既に炭酸ガスが抜けてしまっているため、新鮮な豆を使用することが推奨されます。
コーヒーが膨らみやすい条件
コーヒーを膨らませるためにはいくつかの条件が関与します。ここでは、その条件を6つに分けて紹介します。
1. 新鮮な焙煎豆の利用
焙煎直後のコーヒー豆は炭酸ガスを豊富に含んでおり、このためにより強く膨らみます。特に焙煎から1週間以内の豆は膨らみやすいとされています。
2. 深煎り豆の特性
深煎りのコーヒー豆は、浅煎りに比べて内部の水分が少なく、炭酸ガスが多く含まれているため、膨らみやすくなります。
3. 挽きたてのコーヒーの効果
コーヒーを挽いた直後は、炭酸ガスがまだ豆内に多く閉じ込められており、このため挽きたてのコーヒーほど膨らみやすいです。たとえば、3日前に挽いたコーヒーと比較すると、挽きたてのコーヒー粉の方が明らかにガスを多く含んでおり、その結果、より強い膨らみを見せます。
4. 細挽きコーヒーのメリット
細挽きコーヒー粉は、その細かさからお湯との接触面積が広がり、膨らみやすくなります。これにより、粗挽き粉よりも細挽き粉の方が、炭酸ガスが外に逃げ出しやすく、効率的に膨らみます。
5. コーヒー粉の量と膨らみ
使用するコーヒー粉の量が多ければ多いほど、膨らむ可能性が高まります。これは、コーヒー粉の量が増えることで、それに比例して閉じ込められたガスの量も増加するためです。例えば、1人分(10g)よりも2~3人分(20~30g)の量で淹れると、より豊かな泡立ちが得られることが一般的です。
6. お湯の温度と膨らみの関係
お湯の温度が高いと、コーヒー粉に対する浸透力が増し、それに伴ってガスが抜けやすくなります。したがって、100℃の熱湯を用いると、60℃のお湯を使用する場合に比べて、より迅速に、そして多くのガスが放出され、膨らみやすくなります。
これらのポイントを踏まえてコーヒーの膨らみを最大化させましょう。
コーヒードームの作り方
コーヒーを淹れる際には、まず別のカップにお湯を少し注いで、ポットからどのようにお湯が流れ出るかを確認します。ポット内のお湯が多いと予想外に勢い良く流れ出ることがありますので、流れる角度を予め把握しておくと良いでしょう。
コーヒーを淹れる際は、最初にお湯をコーヒー粉の中心にそっと注ぎ、全体が均等に湿るようにします。その後、中心に向けてお湯を集中的に注ぎ続けることで、コーヒーは均一に膨らみます。重要なのは、お湯を横に広げすぎず、中心に集中させることです。
コーヒーの膨らみ現象について
コーヒーが膨らむ姿は目を引きますが、必ずしも美味しいコーヒーであるとは限りません。実際、多くのガスを含むコーヒーは味の抽出が妨げられることがあります。個人的には、焙煎から1週間程度経過したコーヒーのほうが深い味わいを感じます。
モコモコと膨らむ現象は新鮮な焙煎だからとは限らず、特に浅煎りのコーヒーでは硬い豆のため反応が少なく、ガスが少ないです。
さらに、コーヒーをモコモコに膨らませるためには、注ぎ方にも一定の技術が必要です。連続して注ぐことで膨らみやすくなるため、注ぐ位置と量が重要になります。
この膨らみは視覚的な魅力を持つものであり、その美しさが味の一部とされることもありますが、味とのバランスを取ることもできます。
「美しく膨らむことが最高のドリップ方法」という観点は、より落ち着いた味わいを求める人々には必ずしも当てはまらないかもしれません。また、水位が上昇する台形のドリッパーが適しているとされることがありますが、これはまだ検証中です。
モコモコ膨らむコーヒーの要点
- 焙煎されたばかりの豆は良く膨らみます
- 深煎り豆は膨らみやすさが増します
- 挽きたてのコーヒーは特に膨らみやすい
- 細かい粉は膨らみを助けます
- コーヒー粉が多ければ多いほど膨らみやすい
- 高温のお湯を使用するとよく膨らむ
- 蒸らしをせずに続けて注ぐと膨らみやすくなります
- 台形のドリッパーは膨らみやすい
コーヒーを淹れる際は、焙煎されたばかりの豆を選ぶと良いでしょう。地元の自家焙煎店で相談するか、オンラインで注文して新鮮な焙煎豆を手に入れることも一つの方法です。
オンラインでの注文もお勧めです。注文を受けてから焙煎するお店も多く、新鮮なコーヒー豆が手に入りますよ
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