世界には「3大コーヒーブランド」と称されるものがあり、その中にはジャマイカのブルーマウンテン、ハワイのコナ、そしてタンザニアのキリマンジャロが含まれます。これまでキリマンジャロコーヒーをほとんど体験してこなかったため、この機会にその特性について深掘りしてみたいと思います。
キリマンジャロコーヒーの起源
キリマンジャロコーヒーは、その名前が示す通り、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ山から名付けられました。この地で栽培されるコーヒーは長い歴史を持ち、19世紀末にはドイツ人とイギリス人によって広範囲に栽培されるようになりました。
日本でキリマンジャロコーヒーが広く認識されるようになったきっかけは、アーネスト・ヘミングウェイの『キリマンジャロの雪』が映画化されたことです。
現在、キリマンジャロと名付けられたコーヒーは、必ずしもキリマンジャロ山域で栽培されたものだけではなく、タンザニアの他の地域で栽培されたアラビカ種も含まれています。実際にはタンザニア南部で生産されるコーヒーが多く、地域ごとに異なる特性を持っています。
キリマンジャロ山域の選りすぐりのコーヒー
特に質の高いキリマンジャロコーヒーを求めるなら、キリマンジャロ州モシ地区で栽培されたコーヒーを試す価値があります。この地区では標高1400メートル以上で栽培され、伝統的な方法で精製された「キリマンジャロ・クラシック」が特に推奨されます。このコーヒーはジャスミン、レモン、バニラの豊かな香りを持つことで知られています。
これらのコーヒーはAAグレードで選ばれ、各豆が丁寧に選別されています。その結果、欠点豆が極めて少なく、一貫した高品質が保証されています。
キリマンジャロコーヒーはその深い味わいと繊細さでコーヒー愛好家を虜にすることでしょう。一度その風味を体験すれば、その魅力に引き込まれるはずです。
選ばれた中煎りの豆
今回選んだのは、中煎りに仕上げたキリマンジャロコーヒー豆です。この焙煎度でのコーヒーは、控えめながらも甘い焼き菓子を思わせる香りが特徴です。
試行的なドリップ方法
使用したコーヒー粉は10g。85℃の温度で深層フィルターを用い、お湯が溜まらないように5回に分けてゆっくりと注ぎました。挽き具合の違いによる風味の変化を試しました。
「キリマンジャロ クラシック」の味わい
中細挽き
レモンに似た明るい酸味が前面に出る一方で、複雑な風味と適度なコクが感じられます。
粗挽き
酸味が抑えられ、甘みが増し、全体的に飲みやすくなりますが、コクは若干薄れます。
中挽き
酸味と甘みが良くバランスが取れ、最も均衡の取れた味わいが楽しめます。
風味評価
酸味: ★★★★☆
苦味: ★★★☆☆
甘み: ★★★★☆
コク: ★★★☆☆
香り: ★★★☆☆
シンプルなカッピングによる抽出で、この淹れ方が最も美味しいと感じました。
このキリマンジャロクラシックは、シソのような独特のフレーバーがあり、酸味と甘みが絶妙に組み合わさっています
一般的な深煎りのキリマンジャロとは異なり、このコーヒーはその爽やかな酸味とシンプルな甘みで、飲みやすさと複雑なコクを兼ね備えているわね
セブンイレブンのキリマンジャロブレンド
数年前にセブンイレブンから発売されたキリマンジャロブレンドは、深煎りで苦味が強い特徴がありました。しかし、本物のキリマンジャロは酸味と甘みのバランスが取れており、混ぜ物のないピュアな豆が特におすすめです。
本格的なキリマンジャロを是非一度ご賞味ください
今回の実験を通じて、コーヒーのさまざまな味の層を新たに発見する機会となりました。ご覧いただきありがとうございます。