赤道直下に位置するケニアは、独自の気候と風土で知られており、その土地で生産されるコーヒーは、特徴的な明るい酸味と香りで人気があります。浅煎りの場合、柑橘類を思わせるような酸味が際立ちますが、深煎りにするとその酸味が穏やかになり、豊かなコクと甘みが引き立ちます。
本記事では、ケニアコーヒーの味わいとその生産背景について詳しく解説しますね。
ケニアコーヒーの魅力とその評価
ケニアコーヒーはヨーロッパをはじめとする世界中で高く評価されており、日本でもサードウェーブコーヒーのトレンドとともに人気が高まっています。
ケニアで生産されるコーヒーは全輸出量の約5%に過ぎませんが、厳しい品質管理のもとで高品質な豆が供給されています。
ケニアコーヒーの栽培の歴史
ケニアはインド洋に面する東アフリカに位置し、首都はナイロビです。この国でのコーヒー栽培は1893年ごろに始まり、地理的には北にはエチオピア、南にはタンザニアが位置しています。
栽培と収穫のプロセス
ケニアでのコーヒー栽培面積は約16万ヘクタールで、年間の生産量は約100万袋にのぼります。栽培されるアラビカ種は標高1,400〜2,000メートルの高原で育ちます。ケニアの平均気温は約19℃で、年に2回の雨季があり、年間の降水量は1,000ミリ以下となっています。これらの条件がコーヒー栽培に適した環境を形成しています。主な収穫期は10月から12月で、初摘みのコーヒーは5月から7月にかけて収穫されます。加工方法は主に水洗式です。
研究と生産管理体制
ケニアではコーヒーの生産から豆の格付けまでが国のサポートの下で厳格に管理されています。1934年に設立されたケニアコーヒー局は、国内のコーヒー産業の発展と品質保持を目指して活動しています。栽培開始が周辺国に比べて遅れた歴史があるケニアですが、適した環境と政府の支援により、高品質のコーヒーが保証されています。
ケニアコーヒー豆の品質分類
ケニアではコーヒー豆の品質を豆のサイズで分類しています。大きな豆は品質が高いとされ、それぞれの重さと形状に基づき7つのグレードに分けられます。特に日本市場では、「AA」と「AB」グレードの豆が高く評価されています。
PB コーヒーチェリー1個につき1つしかない丸みのある豆(本来は、コーヒーチェリー1個につき、2つの豆が入っている) AA 大粒の豆(ふるいの穴のサイズ 7.20mm) AB AグレードとBグレードのコンビネーション(ふるいの穴のサイズ 6.80 mm) C Bよりも小さい豆 E エレファント。最大の豆 TT 全てのグレードから吹き飛ばされた軽量豆。エレファントのかけらになったものも含む。 T 最小そして最細の豆。壊れた豆、不完全な豆を含む。 引用:駐日ケニア共和国大使館‐コーヒー産業
ケニアコーヒーの味の多様性
ケニアコーヒーは焙煎度によって味の特徴が大きく変わります。
それでは、みていきましょう。
浅煎りでの風味
浅煎りされたケニアコーヒーは、トマトのような香りと柑橘類やベリーの酸味が前面に出ることが特徴で、フルーティーで爽やかな風味を提供します。
中煎りから深煎りでの風味
中煎りや深煎りにすると、ケニアコーヒーの酸味が穏やかになり、スパイシーな香りとともに豊かな甘みが感じられます。これにより、コク深く洗練された味わいが楽しめます。
ケニアコーヒーの総合的な特性
ケニアコーヒーは焙煎方法によってその風味が異なり、様々な好みに合わせて楽しむことができます。浅煎りでは明るく活き活きとした酸味が、中から深煎りでは力強いコクと甘みが得られます。
ケニアのコーヒーは厳しい品質管理の下、一貫して高品質が保証されています。