私が2000年頃からコーヒー豆の自家焙煎に興味を持ち、最近はフライパン焙煎に挑戦しています。
これが思いの外大ハマり!
予想外に楽しいこの方法を、ここで紹介します。
生豆の下処理
焙煎の第一歩として、生豆を熱湯で洗い、汚れやホコリを取り除きます。
この処理でチャフ(豆の表皮)が剥がれやすくなるため、焙煎時の飛散を防ぎ、後の掃除も楽になります。
また、濡れた状態で焙煎を始めると、熱が均一に伝わりやすくなり、最初の水分がより効率的に抜けると感じています。
これはあくまで私の経験に基づくものです。
オンラインで手軽に購入できるコーヒー生豆を使い、今回はエチオピア・イルガチェフェを使用しました。
焙煎量について
最初は200gの豆から焙煎を開始しました。
フライパンの大きさや火力によりますが、我が家では28cmの深型フライパンを使用しています。豆の量が多すぎると熱が均等に行き渡らず、不均一な焼き色がつきやすくなります。
逆に少なすぎると焦げやすくなります。様々な試行錯誤の結果、400gの方が均一に焙煎できることがわかりました。
しかし、豆の量が多いとその重さや冷却時の取り扱いが大変になるため、豆の量は400gが適切と感じています。
焙煎初心者の方は、最初は100gから始めて徐々に焙煎のコツを掴みながら量を増やしていくのが良いでしょう。
ステップ2:蒸し焼きで水分抜き
フライパンに濡れたコーヒー豆を入れ、中火で加熱します。
最初は蓋をして、じっくりと蒸し焼きにし、豆内部の水分を飛ばします。定期的にフライパンを振るか、スパチュラでかき混ぜることで、熱を均等に行き渡らせます。
3分ほど経過すると豆が軽くなり、シャカシャカと動きやすくなります。
ステップ3:積極的な炒め焼き
この段階で、フライパンを振ったりスパチュラで積極的にかき混ぜたりしながら、中火で豆を均等に焙煎し続けます。
6分を過ぎると、香ばしい香りが立ち上がり、豆の色が徐々に焼けた色に変化します。このとき多くのチャフが発生するので、適宜吹き飛ばすことが重要です。
チャフが多すぎると感じたら、豆を一時的にザルに移し、チャフを払い除けることも考えられますが、これによって豆が冷えるため、推奨されません。
ステップ4:ファーストクラックの開始
引き続き焙煎を継続し、焼きムラを防ぐために激しくかき混ぜます。
約9分でファーストクラック(豆がパチンと鳴る現象)が始まります。
この重要な焙煎段階では、火力を細かく調整し、豆が均等に熱を受けるようにしましょう。ファーストクラックは通常、1分半から2分間続き、この時に放たれる香りは甘くカラメルのようです。
通常、ファーストクラックは10分前後(±3分)で起こりますが、これが遅い場合は火力不足、早すぎる場合は火力が強すぎることが考えられます。
ステップ5:焙煎終了のタイミング
一次クラックの音が止まった後、約1分で焙煎を止めます。
この時点での焙煎度は浅煎りで、酸味が際立ちます。もう少し焙煎を続けると中煎りになり、甘みとバランスがとれた風味になります。
さらに焙煎を進め、二次クラックが始まると深煎りとなり、苦味が強くなります。
これらの焙煎度は、使用する豆の種類や個人の好みによって調整することが大切です。好みのローストを目安にして、色や香り、豆の膨張具合を観察しながら調整しましょう。
個人的には浅煎りが好きですが、フライパンを使用した場合、多少焙煎度を延ばして中浅煎りにすることが多いです。
焙煎初心者は、焦がすリスクを避けるために、少し深めの焙煎を目指すと良いでしょう。
ステップ6:迅速な冷却と不良豆の選別
焙煎を終えたらすぐに豆をザルに移し、扇風機やうちわで迅速に冷却します。
これは豆が余熱で過煎りにならないようにするためです。焼けすぎた豆や未熟な豆、物理的に損傷した豆は手作業で取り除きます。
焙煎後の豆は初めの24時間はガスを放出し続けるため、保存容器に入れる際は蓋をしないでおくと良いでしょう。
特に浅煎りの場合、焙煎後4〜5日を経てから飲むと最も味わいが良くなりますが、10〜20日後が最も美味しいと感じることが多いです。
まとめ:フライパンでのコーヒー焙煎
フライパンを使ったコーヒー豆の焙煎方法は、まだ改良の余地がありますが、手軽に家庭で試せるため挑戦する価値があります。
焙煎では、豆が焦げすぎないよう注意しながらも、豆の中心までしっかり熱を通すことが重要です。
また、市販の焙煎豆との比較も一つの楽しみであり、コーヒーを深く楽しむための一歩となるでしょう。